幼児(未就学児)連れスキーにオススメの用具選

私は基本的に運動が苦手で嫌いなのですが(冒頭から何)、スキーだけは別で、子供の頃からブランクを挟みながらも続けている唯一のスポーツです。

とはいってもしょせん雪無し県在住ですから子供の頃は年に1回行けばいい程度。大人になってからせっせと雪山に通い、28歳でSAJ1級を取得した遅咲きスキーヤーですが、いや、だからこそ?スキー熱は衰えるところを知らず。娘が生まれた年の冬はなんとか我慢しましたが、翌年は娘を背負ってスキーを再開。
娘自身も2歳から板デビューし、6歳になった今はシュテムターンで滑走する一丁前のスキーヤーになりました。

最近、友達から子連れスキーの準備や子供へのスキーの教え方について尋ねられることが多かったので、せっかくなので記事にしてみました。

1歳児、大人と一緒のとき

大人の装備

この年齢では子供に板を履かせられないので、おんぶか抱っこで滑ります。必ず抱っこ紐などでスキーヤーと子供を固定しましょう。抱えたままでは転倒の際に危険だし、抱っこ紐なしではリフトに乗せてくれないスキー場も多いです。

ドイターキッドコンフォート
背負子で寝てしまう子供
ぐっすり

オススメは登山用の背負子を使うこと。
背負子自体が重いのが難点ですが、安定感が抜群で、荷物も一緒に持っていけるのが良い点。そして乗っている方も景色が楽しめるのでキャッキャしていました。

また、背負子にはスタンドがついていて自立するので、子供が寝てしまっても背負子から降ろさずにそのまま寝かせておくことが出来ます。 抱っこ紐ではトイレに行くのもままならないので、 これはかなり便利でした。

子どもの装備

下着、あったかフリース、つなぎタイプの中綿入りスキーウェアを着せ、 毛糸の帽子、ライナー付きの(防風してくれる)手袋、スノーブーツを着せて背負子に乗せていました。自身が滑らずに背負子に乗っているだけなので防寒重視、動きやすさよりも暖かさで装備を選んでいました。
手袋はリフトから落としてしまう可能性があるので手袋クリップ&紐で両手をつないだ方が良いです(一度、落としました…)。

また、雪遊びをするとあっという間に手袋がびしょびしょになるので、手袋の替えがあった方が安心です。

2歳以上、子供自身が滑るとき

幼児連れスキー

1.ヘルメットとゴーグルは絶対に装着

この2つは何よりも重要!ゲレンデで帽子も被らずに滑っている子供を見るたびにハラハラします。自分が転ばなくても、後ろから突っ込まれたときに打ちどころが悪かったら最悪の事態もありえます。

最近はレンタル用ヘルメットが用意されているスキー場も増えましたが、シーズンオフに前シーズンモデルを購入するとかなり安く購入できるし、自分の所有物だと思うと子供も愛着が強くなるようです(娘談)。

2.ウェアは着こませすぎない

寒がりな大人と違って子供は暑がりの汗っかきなので、ゲレンデとはいえ着こませすぎるのはNGです。体が思うように動かなくなるし、汗冷えして逆に風邪をひくリスクが高くなります。

レイヤリングはベースレイヤー(下着)、フリース、アウターシェルの3層構造で十分です。アウターがいわゆるスキージャケットのような中綿入りのものであればフリースは不要。

その代わりベースレイヤーは高性能なものが良いです。ユニクロのヒートテックはレーヨン入りで汗冷えするのでスポーツには向いていません。
オススメはPatagoniaのキャプリーン(クルーネック)か、North Faceのロングスリーブ・ウォーム・クルー。どちらも速乾性の高いアウトドア用ベースレイヤーでありながら、街でロンT代わりに着られるデザインで良いです。

https://www.patagonia.jp/baby-capilene-crew/60060.html?dwvar_60060_color=NENA&cgid=root&isSearch=true#tile-3=&q=%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3&lang=ja_JP&start=1&sz=24
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モンベルのジオラインシリーズはPatagoniaのキャプリーン、North Faceのロングスリーブウォームクルーと並ぶ機能を有していながらお手頃価格という優秀な下着なのですが、いかんせんデザインの野暮ったさが否めず、1枚でも着させたいならPatagoniaかNorthのどちらかかなと思います。(ちなみに私はモンベルのジオラインを愛用しています)

モンベル | Page Not Found

フリースはモンベルのクリマエア。軽くて暖かく動きやすいのでミドルレイヤーとして超優秀。
シェルは120cmサイズまではPatagoniaのベビー・リバーシブル・パフボール・ジャケット、130cmサイズからはNorth Faceのスクープ・ジャケットを着ています。

NorthよりPatagoniaのほうが好きなのですが、中綿がないタイプのジャケットがなかったので今回はNorthを選びました。
中綿のないシェルを選んでおくと、ミドルレイヤーで温度調節しやすいし、ゲレンデ以外でも使えるので便利です(またそれか)。子供服はあっという間にサイズアウトするので『ゲレンデ以外でも使える』は我が家にとって重要な要素です。

3.子供の板とブーツをレンタルする場合は事前にサイズ確認を

子供の板とブーツについては前述のウェアの時とはちょっと事情が変わってきて、「子供の成長は早いからレンタル一択!」 とは言い切れません。というのも、2歳の子供サイズのレンタルブーツがほとんどないから。現地レンタルを予定している場合はレンタル最小サイズの確認必須です。
娘のスキーデビューの際はまんまとレンタルブーツではサイズが合わず、購入一択でした。

板の長さは身長からマイナス〇cmというような目安がありますが、2~5歳程度なら80cmの板(市販されている最も短い板)を履いておけばOKです。技術と脚力がないうちは短い板のほうが取り回しが楽なので本人が楽しい気持ちで滑れます。4年間1本の板を使えるなら購入したほうがレンタルより圧倒的に安くなります。
ちなみに、購入する場合は有名どころの板(ロシニョール、ヘッド等)を買っておくと、あとでメルカリやオークションに出品する際に有利です。

幼児連れスキー
疲れちゃった

4.2歳ならトライスキー、3歳以上はスキークリップがおすすめ

トライスキーもスキークリップもボーゲン養成器具の名前です。板の先が広がってしまわないようにスキーの先端に取り付けるもので、ハの字が強制されるのでスピードが出にくく転びづらくなります。

トライスキーは有名でスキー場でも販売されていますが、板ががっちりと固定され過ぎるのでリフトの乗り降り時には不便だしボーゲンの形が不自然になります。足腰に力がついてくる3歳以上はスキークリップがオススメ。

スキークリップは日本だとずいぶんな価格で売られているので、抵抗がなければAmazon.comで購入したほうが安いです。

5.親も滑りたい場合はコーチベルトもあったほうが楽

子供に練習させるために、リフトに乗らず板を履いた子供を押して坂を上がって滑らせ、また坂を押して上がって…という熱心な教え方ができる人は不要。

私のように「自分が滑りたいからとりあえず子供をリフトに乗せて上まで連れて行っちゃえ!」という人はコーチベルトが便利です。我が家の場合は2~3歳で使用しました。

コーチベルトを購入するまではストックを横に持たせて後ろから支えて滑る、という方法で教えていましたが、子供がぶら下がってくるし、子供が「ひとりで滑りたい!」という気持ちがあるときにモメるのでしんどいです。
その点、コーチベルトは子供が自分で立った状態でスピードや方向をコントロールできるので、自由を与えつつ文字通り手綱を取れてよいです。でも必然的に親側もボーゲン一択になるため太ももが死亡します。日ごろからスクワットを頑張らねば…。

6.子供にストックは不要

子供が小さいうちはストックは不要です。本人は大人のフリがしたくて持ちたがりますが、滑走時のストックワークは結構技術が必要なので、滑るのもままならない子供は手ぶらで滑らせたほうが断然上達が早いです。

7.参考書など

根性論でスキーを習得した親(つまり私です)が子供に優しく教えるための参考書として良書です。坂道も逆ハの字で上がれ!とか休憩はリフトの上だけ!なんていうど根性スキー練習は子供がスキーを嫌いになるよ、という内容です(当たり前か)。

2006年刊行のわりには最近のスキーテクニックもそれなりに押さえていて良かったのですが、 残念ながら絶版のようです。似たような本で良い本があればぜひ教えてください。

まとめ

子どもが小さいとゲレンデに連れて行ってもすぐに疲れた疲れたというので全然滑れないし、荷物は多いし、ブーツと板を履かせるだけで一苦労だし、いいことなんにもないな!と思っていたのですが(思っていたのか)、一緒に滑れるようになってからの楽しさは想像以上でした。

娘は今は「お母さんよりうまくなる!」と気合を入れて練習に励んでいるので、いつか来るべきXデーを先延ばしにするべく、私も頑張って現役スキーヤーで居続けたいと思います。

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